hadashiA's blog

ブログがよくわからない

number girlのOMOIDE IN MY HEADという曲を聴いての感想

 スーパーファミコンでマリオを操っているとき、Yボタンを押しながらマリオを右に進ますと、えらい速く走ることに気づく。そのやり方で走らせていくと、マリオは足の回転が天才すぎて穴に落ちることがある。すごいスピードで画面が右へスクロールしていたのに、その流れが急にストップした、と思ったら、「あ!マリオがいない。マリオが穴に落ちてるっ!」ってなる。当時、個人的に不思議だな、と思ったのは、みんな気づいていると思うけど、マリオはちゃんと前を見てた、ということだ。たとえば、オリンピックを見てたら一人だけめちゃめちゃ足が速い奴がいてびっくりしたと思うけど、彼でさえゴールテープを切った後はちゃんとブレーキをかけていたので偉い。
 ようするに、何が言いたいのかというと、前方にくそでっかい穴があるのに、「GO! GO! GO! GO! GO!……」ってなったまま走っていっちゃう人の気持ち、っていうものが、もしも、本当にあるとしたら、それについて考えてみてほしい。
 マリオ先輩は簡単に言うとトランス状態だった。というか、まったく別の言い方をすれば、number girlOMOIDE IN MY HEADをイヤホンで爆音で聞きながら、マリオは右に走って行ってたんだと思う。そういうふうに解釈したときに見るあのマリオの走りっぷり。あれを聞きながら、パンチなし、キックなしの特別ルールでクリボーを踏んずけてぺっしゃんこにして亀を跳ね飛ばして、ダッシュでマリオはマリオワールドを行ったり来たりしていた。そしてマリオは穴に気づかなかった。


 僕は、最近、通勤中にもっぱらイヤホンで音楽を聞くようになってしまった。電車に乗っているときも、歩いているときもずっと聞いていて、その間、特に何も考えてないよ。
 その日の帰り道も、僕は最寄り駅を出て、徒歩5分の家へ続くほぼ直線の一本道を、いつものように歩いていた。
「まったく、世の中のやつらときたら、バカばっかりだよ!」
 とでも言いたげな横柄な態度で、街をずんずんまっすぐ進んでいた。300メートルくらいは、まっすぐ行った。通行人とすれ違ったり、追い抜いたりしながら、信号は無視しながら行った。300メートル? あるとき僕は、歩くのを止めて、立ち止った。なぜだかはわからないけど、全くいつもと同じ感じで歩いていたはずなのに、知らない場所に立っていたからだ。僕の家は、こんなに遠くない。いつもより歩いたはずなのに、それなのに、家とは全く逆方向の別の場所に立っている。
 僕は、2番出口じゃなくて4番出口を出てしまっていたのだけど、それに気がつかなかった。
 ちょっと僕は、疲れているんだな。と、そのときは思った。でも、本当は、僕は、number girlのOMOIDEIN MY HEADを聞きながらずんずん歩いていたから、目的地とかどうでもよくなっていて、行った。300メートルくらい行った。逆の出口を300メートルくらい行った。本当はもっと行けた。